賞はもうスーギ氏にあげたらいいんじゃないの。

私をのせたイカダは、川の流域に住むある部族の村に流れ着いた。体は既に鳥や虫たちの糧となり、私に残されているのは、歯が一揃いと家族の写真だけだ。その歯も、金歯は子供が持ち去ってしまった。私のイカダに興味を示した彼女は、年の頃は幾つくらいだろう。

エチオピアに、下唇に切れ込みを入れそこに皿を嵌め込む習慣を持つ部族がいるが、彼女の部族は耳に皿を嵌め込んでいる。彼女はイカダを矯めつ眇めつしながら、時折、喉を低く鳴らす。驚くべきことだが、その小さな音で大河と呼べるこの川の対岸に居る同じ部族の男とコミュニケーションを取っているようだ。

彼女は写真には嫌悪を示し、投げ捨てる。ああ、帰れない私を許して欲しい。

最近の良い買い物。ELECOMのEDH-004というブックスタンド。机の上に資料を広げて置きたい時などとても便利。プラスチックの安っぽい造りで、インテリアとしての満足度は皆無だけど、ちょっとした図鑑も立てちゃう憎い奴。この商品が特にどうということはないけど、ブックスタンドはあると便利ですよ。

駆け落ち騒動以前、最後に二人を見たのは油子だった。

その夜もいつものように番台に座った油子に、入浴に来た件の許嫁の女性は、売店で飲み物を買って来るよう頼む。温泉の冷蔵庫はとうに止まり、こけしが陳列されていた。

売店への道でもう一方の当事者である村長の一人息子とすれ違い、飲み物を買って番台に戻ると、女湯の脱衣所に一人息子の衣服が脱ぎ捨てられているのを見た。

わっ、と女湯に駆け込んだところがそこには誰の姿もなかった、というのが油子の見た事の顛末であった。

つまり二人は裸で駆け落ちをした？そんな馬鹿なと、村民による石油温泉での捜索が行われることとなった。

蚊を見ました。「秋まで生き残されている蚊を哀蚊と言う」と太宰治が書いた昭和は今は昔、最近ではこんな時期でも蚊がいるのですね。

…というような記事と共に、去年の末に描いていた絵が、今になって出来たのでアップップ。